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 著作権譲渡をめぐる5億円の詐欺罪に問われ、執行猶予判決を受けた小室哲哉(50)が22日、東京・調布市の「味の素スタジアム」で行われたライブイベント「a-nation」で356日ぶりにファンの前に立った。
音楽ユニットglobeのメンバーとして、妻のKEIKO(37)とともに出演し、「大変ご迷惑をお掛けしました」と謝罪した。
判決確定から約3カ月。

一時代を築いた音楽プロデューサーは反省と充電の日々をへて、再び本格的な音楽活動をスタートさせた。

 次に登場するアーティストは誰なのか。
残暑の熱気に包まれながら、5万人がかたずをのんでステージを見つめる中、スーツ、シャツ、靴と“反省の白色”で身を固めた小室が現れた。
globeの登場そのものがシークレットなので最初は誰も気付かない。
しばらく静寂が続いた後、巨大スクリーンに顔が映し出されると、会場は一気に大拍手に包まれた。

 1人でピアノの前に座って、時に強く、時に優しく、自身で作曲・プロデュースした曲を次々と弾く。
緊張で終始硬い表情だったが「CAN YOU CELEBRATE?」で、初めてはにかんだような笑みが見えた。
8曲を弾き終えたところでマイクの前に立つ。
頭を90度下げたままで約30秒。
「大変迷惑をお掛けしました。そして、心配もたくさんかけました。そして、僕のピアノに耳を傾けてくれたファンの皆さん、本当にありがとうございます」
と絞り出すような声で謝罪した。

 すると、KEIKOとMARC(39)が登場。
KEIKOは一礼の後、反省は毎日で 悔やまれることが多すぎて…の歌詞が含まれる「FACE」を歌唱。
まるで自分たちの反省の弁を述べるような選曲は3人で相談して決めた。ラスト3曲目の「Many Classic Moments」では小室のもとに集まり、最後は3人そろって肩を組んで頭を下げ、退場した。
昨年8月31日の「a-nation」以来のステージを終えた小室とKEIKOは、控室に戻ると抱き合いながら号泣。
涙で顔をくしゃくしゃにした。

 小室の復帰には、エイベックスが全面的にバックアップした。
保釈保証金3000万円を払ったのは同社(現在は返還)。
被害男性への弁済資金約6億5000万円は松浦勝人社長が個人で貸し付けた。同社長は裁判の証言台に立ち、小室の実刑回避も訴えた。

 判決後の小室は、音楽と反省の日々を送ってきた。
嘆願書を書いてくれた関係者への感謝の手紙を書き、再開した作曲活動ではすでに十数曲のデモ楽曲を作った。「この日、この瞬間、この気持ちを絶対に忘れません」。
判決直後の会見で
「音楽は私の天職。これしかない」
と再起を語った小室が人生の再スタートを切った。
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