奇跡の美声ボイルおばさんがダンス上陸♪

　大みそかの「第６０回ＮＨＫ紅白歌合戦」（後７・１５～１１・４５）のリハーサルが２９日、東京・渋谷のＮＨＫホールで始まった。
目玉となる英国の遅咲きのシンデレラ“おばさん”、スーザン・ボイル（４８）は同日午前、成田空港に到着、初来日を果たした。待ち構えた約３０人の報道陣に「マーベラス！（素晴らしいわ）」と投げキスし、「紅白を見てちょうだい」とアピール。

　シンデレラガールならぬ、“シンデレラおばさん”の到着に、年末でごったがえす空港ロビーがざわめいた。

　報道陣や空港利用客ら約１００人が集まり、まぶしいばかりにフラッシュを浴びると、黒ずくめの地味なオバサンの笑顔が弾けた。

「ありがとう。日本に来られて本当にうれしい」

と顔がくしゃくしゃに。
長旅の疲れも見せず、

「日本ではスシが食べたい」

と話し、手を振ったり、その場で軽やかにステップを踏むなど終始ゴキゲンだ。

　テレビのリポーターが「ここで歌ってください」と呼びかけると、投げキスをしながら、

「ここではまだ歌えないわ。テレビ（紅白）を見てちょうだい」

とちゃめっ気たっぷり。出迎えた関係者に花束を贈られ空港を後にした。

　滞在中は紅白出演以外、仕事の予定はなく、晴れ舞台に専念。
到着したこの日は終日オフで、空港からは東京・赤坂の氷川神社に立ち寄り、日本初ステージの成功を祈願。その後、皇居周辺のドライブを楽しんだ。

　スーザンは、スコットランドの田舎町に住む一般人だった。
転機は今年４月に出演した英国のオーディション番組。
ゲジゲジまゆ、野暮ったいワンピース姿で、田舎のおばさんにしか見えない容姿とは対照的な圧倒的歌唱力が話題になり、動画配信サイト「ＹｏｕＴｕｂｅ」に投稿された映像は、全世界で３億回以上も再生されるなど一躍時の人となった。

　１１月に世界発売されたデビューアルバム「夢やぶれて」は英、米、カナダなどでチャート１位を獲得。
全世界で８００万枚以上を売り上げた。

　３０日にはＮＨＫ内で、報道陣をシャットアウトして厳戒リハーサルを敢行。
大みそかにはＮＨＫホールのステージで「夢やぶれて」を披露するが、

「歌で聴かせるため、演出や衣装はシンプルなものを用意してます」

と関係者。

歌手になりたい－。
夢をかなえたスーザンの歌声が日本の視聴者に“夢を与える”。